事業の構造転換は必要

現場が劣化すると企業全体は衰退していきます。
経営層が悪くとも現場がなんとかやっている企業では、企業経営を
遂行していくことは可能です。
しかし、当然ですが、現場の戦術に対する補強がない状態が続くと
その企業は衰退していきます。

むずかしいのは、戦術的補強が必ずしも企業の成長や現状維持につ
ながらないことがあります。
競合他社のほうが、有利な状況の場合などがあり、撤退もひとつの
選択肢です。
この時点における経営判断が非常にむずかしく、あいまいになるた
め日本企業はずるずると消耗戦になることが多いような気がします。

現場が強いうちに経営戦略、すなわちなにをすべきかを検討してお
かなくてはなりません。
資金力が必要です。
長期戦になります。

成長余力がない市場では、中小企業は倒産、破産、大手企業では企
業間の合併になっていきます。
現場は優秀だが経営戦略を担う経営層は、貧弱だというのが我が国
の特徴ではないでしょうか。

ソニーのコロンビア買収は、当時大きな話題となりましたが、現在
ではゲームや金融とならぶ稼ぎ頭です。
現場が優秀だといってもいつまでも同じ環境が続くわけがありませ
ん。
事業の構造転換は必要です。

現場の優秀な技術者や生産部門の人材は、新たな展開をしていくほ
うがよいというのが、私の持論です。
家電であれば、中国などと競争できる環境が必要です。
アイリスオーヤマなどの挑戦は、新たな挑戦といえるでしょう。
少子高齢化といえど市場はあるのですから、新たな挑戦する気概が
ある人たちによって、これまでのビジネスモデルを壊していく挑戦
を応援する仕組みが必要ではないか、と考えています。

現場型の再挑戦ですが。。。
アイデアは、市場と現場の相互作用から生まれるものです。