待つことと自信をもつこと

ある企業に在籍していたとき、人事の実務ができる担当者を探し
ていました。
幸い、部下が派遣をしていた女性を知っており、採用することに
なりました。
ただし、社長からは契約社員でという条件付きでした。
私は、この条件を提示して採用しましたが、実務能力が高く、正
社員として雇用してもよい、と思える人材でした。

もっとも、本人も正社員を希望していましたのでチャンスはある
と、考えていました。
しかし、2年経ても正社員登用はできず、本人は私から社長へお
願いしてもらえませんか、と話がありました。

私はこのようなとき、無理に話を進めることはしません。
理由は、実力がある人ほど、待つことが必要だ、と思うからです。
他人に依頼して登用されるか、あるいは自分の実力で登用を勝ち
取るかで、その人のその後の人生が変わると信じています。

案の定、それからわずかな期間で社長から正社員へ登用したいと
いう打診がありました。
社長の言葉は、本当に仕事ができるね、でした。
本人へ伝えると、非常に喜んでいました。
しかも、実力が認められた登用です。

厳しいようですが、私は、能力が高い人ほどその人の力で昇格等
を勝ち取れるよう指導します。
人生には、待つことと、自信をもつことが必要なときがあります。
優秀な人ほど時間をかけて仕事をやってもらいます。

能力が高い創業経営者が、このような人材をほっておくことはあ
りません。
だからこそ、今でも着実に成長を続けているのだと、思います。