社風を作るのは誰か

企業にはそれぞれに独自の社風がありますが、社風を作るのは誰
かと言えば、答えはだいたい「経営者(社長)」ということにな
るでしょう。
やはり多くの影響力がある点で経営者が社風に影響する力は大で
すが、よくみていくと、そればかりではありません。
中小企業の中には、社員が社風を生み出すところがあります。

社員とて人間ですから強い発信力をもっている人や仕事の成績が
よい人のような立場は、案外、社風を作る力として影響するもの
です。
当然ですが、人間がすることですから良い影響もあれば悪い影響
も、どちらも社風に影響します。

経営者は会社が置かれた立場から自分が信じる方向へ社風を作り
あげようとします。
意識的にするしないにかかわらず社風ができあがっていきます。
社員は、そのような影響を受けながら自分の立ち位置を決め、発
言をします。

社風を変えるということは非常にむずかしいことです。
私程度の人間ではなかなか変えることができませんが、それでも
小企業であれば少しくらい影響力がもてます。
理由は、人間は本来学ぶという意欲をもっているからです。
座学だけではありません。
仕事の実践を通して協同で作業するれば、私が発言することが間
違っておらず結果がでるからでしょう。

このような実践から少しづつ社風が変わります。
社風が変わるとは、社員の人たちの発言内容と行動が変わってい
くことです。
小さな企業ほど人が成長する種があるともいえるのかもわかりま
せん。

小が大を倒せるのは、このような地道なことを繰り返し繰り返し
実戦することです。

機能不全に陥る社会

社会のいろいろな場面をみるにつけ、社会は機能不全に陥っていく
ように感じるのは、私だけでしょうか。
コンプライアンスと叫べば叫ぶほど、コンプラは低下していくよう
ですし、また、経営スピードをあげれば、あげるほど経営課題は増
加していくように思えます。

社会全体をよくしていくために多くの機能を作りあげていきますが、
むしろ機能不全をおこしているようにもみえます。
人間社会は、理想とする社会像と人間がもつ感性とが、うまく折り
合いがつかいない状態とでもいうのでしょうか。
益々、混沌とした社会になっていくようです。

頭で考えた社会は、人間がもっている本質からむしろ遠くなってお
り、言葉や会話を前提とした社会像にひずみが出ているのかもわか
りません。

理想を語ることは簡単ですが、人間が行動として体現できるまでに
は多くの教育、とくに行動を伴う体験教育(社会的な教育)が必要
でしょうか。
頭でわかることと、行動に移せることは、まったく次元が違うこと
だからです。

社会のいろいろな場面をみるにつけ、なにか欠落したものを感じて
しまうのは、言葉が優先される社会からは物事を変えていくものが
なにもうまれてこないという虚無感を生み出すからではないでしょ
うか。
この点は、これからも深刻な問題を提起するのではないか、と考え
ています。

そもそも行動から生まれる変革は、多くの時間が必要です。
この前提が理解されない社会は、コアがない浅薄な議論と浮薄な行
動を繰り返す社会を生み出しているのかもわかりません。

いずれにしても、むずかしい時代を背負っていることは間違いない
でしょう。