どうしても先を急ぐ

中小企業の経営が順調なとき、経営者は、どうしても先を
急いでしまいます。理由は、事業を拡大できるチャンスだ
からでしょう。
事業が順調であれば事業拡大のための融資を取引銀行から
前向きに検討してもらえるものです。

しかし、失敗した事例を実際に、あるいは書物などから学
ぶと、順調なときにこそ失敗の原因が生まれていることが
わかります。
経営者が事業の拡大を目指すのは当たり前なのですが、失
敗の多くは「人」にいきつきます。

人材の育成が事業拡大に追いつかないのです。当然、拡大
できたことは良いのですが、店舗や支店運営が杜撰なもの
になっていくようです。そこから事業の展開が足踏みし、
成長力を落としていきます。

経営は順調なときほど慎重でなければなりません。経営を
拡大させるための人材がそろっているのか、自問自答して
みてください。
人材なき事業拡大は、いずれ砂上の楼閣となることは明ら
かです。

事業拡大において「人材の育成」こそが、先ず優先事項で
す。人材育成のために、立ち止まる勇気も必要でしょうか。