売上基準と経営管理

営業をやっていると売上がどの時点になるのかは、大変気になると
ころです。
私が在籍していた企業は、出荷基準で売上を計上していましたから、
たとえば6/30に出荷すれば、6月分の売上ということになります。
売上基準は、そのほか引渡基準や検収基準などがあります。

問題は販売促進費の取り扱いにありました。
当月販売したのですから当月に販促費を計上するのがあたりまえな
のですが、この会社、販促費の取り扱いが非常にあいまいでした。
経営会議にだすためか、実績を計画通り出すようないい加減なとこ
ろがありました。
販促費を予算以上に使っているのに、予算内に収める???

当然ですが、当月に計上されるべき販促費が計上されていません。
出された実績は少ない販促費になっています。
みかけ上利益が大きくなります。
簡単にいえば、粉飾です。

このような管理状態ですから、なかには数千万円の販促費が後日取
引先から請求されたりと、大問題となりました。
担当者は、時期をおかずして退職されました。

私はこのような現場をみながら同じような販促費の使い方をすると
自分の問題になると感じ、使用した販促費をすべて当月中に出すよ
うにしました。
なかには、管理職が来月にまわせといってきても頑として聞くこと
はありませんでした。
管理職を信用できないからです。

経営管理がおろそかな企業では、このようなことが日常的に、しか
も意識することなくおこなわれているから怖いのです。
特に新入社員は右も左もわかりません。
要注意です。

経営管理が徹底されていれば、企業会計から経営体制が確立されて
いますので、販売部門の暴走などをけん制できますが、他方、でき
ていない企業は、社員個人に多くの責任がのしかかってきます。

企業活動をみる目を養うために、会計制度などを学んでおくことは
重要です。
自分の身を守るためにも有効な手段です。