利益を上げればよい企業か

企業の本質は、利益を上げて事業を継続していくことですが、そ
れだけでしょうか。
いわゆる社会性という観点から言えば、企業も社会の一員ですか
ら、相応の社会的責任を伴うことになります。

日本企業の中には、利益を上げていますが、私は尊敬していない
企業があります。
非正規社員を活用して利益を上げている企業でしょうか。
しかも、正社員化しても応分な利益がでる企業だと、考えていま
す。

先ずもって、正社員化の努力をしない。
ブランド力があるのですから、このような企業が率先して正社員
化の努力をすることで日本社会は変わるのですが、熱意がありま
せん。

問題も吹き出しはじめていますから、いずれ気がつく人がいれば
よいのですが。。。
何分にもサラリーマン会長の長期政権では、どうなることやら。

このような企業が多数あるのかもわかりません。
人を置き去りにした企業利益では、世の中がよくなるわけがない
と思うのは、私だけでしょうか。

なにかずれているところがあるようですが、それが日本企業の特
徴でしょう。

もっとも、私は、すべての社員を契約社員へする立場をとってい
ますから、結果としての長期雇用が前提です。

待つことと自信をもつこと

ある企業に在籍していたとき、人事の実務ができる担当者を探し
ていました。
幸い、部下が派遣をしていた女性を知っており、採用することに
なりました。
ただし、社長からは契約社員でという条件付きでした。
私は、この条件を提示して採用しましたが、実務能力が高く、正
社員として雇用してもよい、と思える人材でした。

もっとも、本人も正社員を希望していましたのでチャンスはある
と、考えていました。
しかし、2年経ても正社員登用はできず、本人は私から社長へお
願いしてもらえませんか、と話がありました。

私はこのようなとき、無理に話を進めることはしません。
理由は、実力がある人ほど、待つことが必要だ、と思うからです。
他人に依頼して登用されるか、あるいは自分の実力で登用を勝ち
取るかで、その人のその後の人生が変わると信じています。

案の定、それからわずかな期間で社長から正社員へ登用したいと
いう打診がありました。
社長の言葉は、本当に仕事ができるね、でした。
本人へ伝えると、非常に喜んでいました。
しかも、実力が認められた登用です。

厳しいようですが、私は、能力が高い人ほどその人の力で昇格等
を勝ち取れるよう指導します。
人生には、待つことと、自信をもつことが必要なときがあります。
優秀な人ほど時間をかけて仕事をやってもらいます。

能力が高い創業経営者が、このような人材をほっておくことはあ
りません。
だからこそ、今でも着実に成長を続けているのだと、思います。