現場と無念さ

私は営業と管理部門の仕事をおこなってきましたが、管理部門の
怖さは現場をみず判断してしまうことでしょうか。
管理部門の人間は、どちらかと言えば頭で考えるタイプが多いよ
におもえます。
もっとも、私がみてきた非常に少ない範囲ですが。。。

私は現場育ちですから、現場をみて現場の人たちと話をしながら
問題解決を図るタイプです。
時間がかかりますが、現場の中で悪戦苦闘しながら出す施策は、
当然ですが、現場の人たちの意見をくみ上げ、さらに自らの視点
を加味しながら作りあげるので、多くの施策はうまく機能してき
ました。

ある企業の現場で一週間仕事をしてみましたが、やはり有能な人
材と課題の宝庫でした。
午前3時から午前8時までが勝負の仕事でしたが、みんさん手際よ
く仕事をされていました。
問題はその処遇でした。
能力ある人材をどのように処遇していくか、この企業は、まとも
に考えていませんでした。
理由は、高収益企業だからでしょうか。
現場などみることなく、あぐらをかいて企業経営しているのです。

私としてはやるだけやってみましたが、このような企業の経営者
は、やるふり、先送り、親会社へとんずら。
まともに現場をみる姿勢がありません。

私は、この企業の給与水準がよいこと、さらにコンプライアンス
はしっかりしているので、経営全般を勉強しながら技能を磨き、
将来、円満に独立できるようにやっていかれたらどうか、と有能
な人たちに声をかけて仕事を終えました。
現場の人たちのおかげで自分なりに納得いく仕事ができました。

現場の声はなかなか上にはとどかないものです。
それでも将来に備えてやるべきことはあります。
また、自分がおかれた現状、例えば給与水準や労働時間、あるい
は企業文化といった、その企業のよい面を客観的に知ることは、
自分の立ち位置を知るために重要です。

愚痴る前に、やるべきことをやる、その気構えが自らの将来を明
るいものにするのではないでしょうか。

私には、できなかった無念さが、今も残ります。
だからこそ、無念さを抱えて前に進みます。

改善提案の種は無数にある

企業に在籍していれば、改善の種は無数にあります。
先ずどのようにして種を探すか。
とくに管理部門には、無数の改善の種が眠っているのではないで
しょうか。
理由は、現場からみた管理部門は改善だらけの部門だからです。

管理部門で改善の種が無数にある理由は、現場がなかなか見えな
い、あるいは理解できていないことです。
現場を経験していない人は、現場の苦労や課題が容易に理解でき
ません。

では、どうするか。
現場からの不満の声を集めることです。
どうしても管理職になると、現場の課題や問題が耳に入りにくく
なります。
そこで部下に現場からのクレームは、大切にためておいてくださ
い、と指示していました。
聞き流したり、無視しないように、必ずメモをとって上司に報告
します、と現場の人たちに言ってもらっていました。

上司(私)が、現場のクレームから逃げれないようにするのです。
逃げていようものなら、私自身がクレームの対象となり、そのう
ち管理職を更迭されるでしょう。

こうなるとクレームに真剣に取り組み、現場からのクレームは改
善の種になります。
それに優先順位をつければ、毎年、改善していくべき課題や問題
は無数にあります。
もっとも、大きな課題は部門間を横断するようなテーマとなる場
合があり、連携を取りながら事業計画に盛り込みます。

こうして改善をすれば現場から相応の評価がでてきます。
もちろん、すべての人が評価してくれるわけではありませんが、
着実に実践することで、現場業務がスムーズにおこなえるように
なればお客様に喜ばれ企業価値があがり、管理部門の評価は相応
に積みあがってきます。

お客様をイメージし、現場の声を大事にする。
不変の真理でしょうか。