すべては人がベース

私は経営管理について執拗に書いていますが、書くだけでは机上
の空論です。
経営とは、なにが基本か、を考えればすぐにわかります。
「人」です。
世の中に多くいるのも「人」、少ないのも「人」とは、新将命さ
んの本の中にある言葉です。

経営管理ができていなくとも「人」がいれば、うまくいっている
企業もあれば、失敗する企業もあるということです。

なにをおいても企業の基盤は「人」なのです。
「人」がいなければ、経営管理など不要です。
経営管理を事業運営の中で体現できる「人」がいてこそ、社会の
中で事業を適正に成長させ、企業の継続的な発展を担うことが可
能となります。

なにをおいても「人」が経営の中心であることは間違いありませ
ん。
どのような人が必要か、経営者自身で解を見出すしかありません。
経営管理は、経営者をサポートする機能(黒子)だからです。

わが家の夏は、犬もエアコン生活

わが家のミニチュアダックスマギーは、5才になり、元気いっぱ
いに毎日生活しています。
もともとダックスは、暑さに弱い犬のようですから、獣医さん
に夏はエアコンを入れてください、と言われています。

電気代は大変ですが、今年の夏の暑さは尋常じゃなかったよう
に思えます。
例年なら10時間くらいエアコンを入れていますが、今年は、18
時間ほどつけていたでしょうか。
夜間も相当な暑さでしたから。。。

犬の健康管理は、毎日気を使いながらおこなっていますが、子
供ともなれば気の使い方はそれ以上でしょう。
そんななかで通園するバスの中で熱中症で亡くなるなど、私に
は考えられないことです。
しかも、昨年も同じ事故があったばかりです。

人間社会は、もとからおかしいのかもわかりませんが、今だけ
をみてもなにかおかしくなってきているようです。
人間でも犬でも命を預かるということは同じです。
とくに幼い子供や犬は、言葉を話せませんから、かれらの態度、
行動から推測して健康や安全をみてあげなくてはなりません。

それだけ、人間が、幼い子供や犬に気がいくことが前提です。
こうも多くの人たちが気がまわらない環境とは、どのような環
境なのか、と思ってしまいます。

経営管理ができていない企業(園)では、このような事故にか
かわった社員(職員)は、法的責任はもとより、一生贖罪と向
き合うことになるでしょう。
企業(園)にかかわらず組織は、一つ間違えば恐ろしいところ
なのです。

私が、経営管理を声高にいう理由があります。

売上基準と経営管理

営業をやっていると売上がどの時点になるのかは、大変気になると
ころです。
私が在籍していた企業は、出荷基準で売上を計上していましたから、
たとえば6/30に出荷すれば、6月分の売上ということになります。
売上基準は、そのほか引渡基準や検収基準などがあります。

問題は販売促進費の取り扱いにありました。
当月販売したのですから当月に販促費を計上するのがあたりまえな
のですが、この会社、販促費の取り扱いが非常にあいまいでした。
経営会議にだすためか、実績を計画通り出すようないい加減なとこ
ろがありました。
販促費を予算以上に使っているのに、予算内に収める???

当然ですが、当月に計上されるべき販促費が計上されていません。
出された実績は少ない販促費になっています。
みかけ上利益が大きくなります。
簡単にいえば、粉飾です。

このような管理状態ですから、なかには数千万円の販促費が後日取
引先から請求されたりと、大問題となりました。
担当者は、時期をおかずして退職されました。

私はこのような現場をみながら同じような販促費の使い方をすると
自分の問題になると感じ、使用した販促費をすべて当月中に出すよ
うにしました。
なかには、管理職が来月にまわせといってきても頑として聞くこと
はありませんでした。
管理職を信用できないからです。

経営管理がおろそかな企業では、このようなことが日常的に、しか
も意識することなくおこなわれているから怖いのです。
特に新入社員は右も左もわかりません。
要注意です。

経営管理が徹底されていれば、企業会計から経営体制が確立されて
いますので、販売部門の暴走などをけん制できますが、他方、でき
ていない企業は、社員個人に多くの責任がのしかかってきます。

企業活動をみる目を養うために、会計制度などを学んでおくことは
重要です。
自分の身を守るためにも有効な手段です。

横領事件の根底にあるもの

私が会社勤めをしていたとき、ある企業で業務
上横領事件がありました。
簡単に言えば、部長クラスの人間が、部品(半
導体)を横流ししていました。
総額でいけば、1億円を超えていたと思います。
横領したお金は、女性や競馬などに使っていた
ようです。

担当者だった私は、原価管理システムのデータ
を調べること、1年くらいかかったでしょうか。
あることに気づきました。
同じ製造番号が何度も使われていることです。
ソニー時代も原価管理をしていましたが、一度
製造が終了すれば同じ製番がでてくること自体
ありません。
製番は、一度しか使われませんし製造が終了す
れば、システムにロックがかかり同じ製造番号
を入力することができません。

問題は、このように何度も同じ製番を入力でき
るシステムを放置しておいたこと、また、製番
管理を経理部門がきちんとやっていればすぐに
発見できる事例でした。
さらに実地棚卸をすれば、すぐにわかります。
その点も甘いのです。
当事者、横領している部長が棚卸をしていまし
た。
開いた口がふさがりませんとは、このことです。

このように経営管理が甘いと簡単に横領などが
おこなわれてしまいます。

仕事というのは、原点があります。

なぜ、実地棚卸をするのか。
なぜ、システムをロックするのか。
なぜ、内部けん制が必要なのか。
なぜ、内部監査は必要か。

仕事の基本を忘れている企業に未来はありません。
仕事の基本がない人間たちが日々仕事をしている
企業では、けっして悪い人たちではありませんが、
その人たちの存在が企業の中に悪い人間を生む土
壌を作るということです。

当然ですが、その企業は消滅しました。