くびになるパターン その二

中小企業が大きくなっていくときにむずかしいかじ取りのひとつ
が、従来からいる人材、あるいは創業期からいる人材の処遇です。
株式公開を考える場合、企業に必要な要素が大きくかわります。
いわゆる業務の専門性です。

従来からいる社員を部長などに処遇していれば、当人は、相当な
焦りがあるでしょう。
だいたい、このタイプは社長に近いということで権威を振りかざ
しますが。。。
実務能力はありません。

そこへ転職組が入ってきてあらゆる仕事の見直しをおこないます
から、その点で専門的な知識がなければ、仕事に対応することが
できません。
このような処遇をおこなっている経営者は、それでも株式公開で
きると考えているようでした。

私がくび(解雇)になったパータンその二は、こんな状況だった
でしょうか。
このように従来から在籍している人が、転職してきた人たちと徒
党を組み、私を排除しました。

ある日、社長から呼ばれて、やめてくれの一言。
話を聞いていると、お前が勝手になにかをやっているというよう
なことでした。
私は、この手の話に乗りません。
このような環境は、私にはめんどくさい、としか思えません。
所詮、このような話に乗る社長は、先が知れているからです。
即答。
退職します、と。
さっさと切り替えて、次の仕事を探します。

数年後、この会社は見事に倒産しました。

私の経験したなかでは、このような状況は、案外多いのです。
転職する場合、中小企業の本質的課題でもありますが、転職者は
無駄な転職にならないように注意が必要です!

特定の社員の話しか聞かない経営者

私が在籍した企業のなかには、特定の社員の話しか
聞かない経営者(創業者)がいました。
当然ですが、このような経営者は、企業活動の全体
をみることができません。
特定の偏った意見によって企業経営をおこなうから
です。

このタイプの経営者は、創業当時から在籍している人
や、中途採用の中で自分が気に入った人だけに意見を
求めます。
古くからいる社員は気心が知れ、話しやすいのはわ
かりますが、少なくとも株式上場を検討しているス
テージでは、組織機能を担える能力があるかどうか
で社員を判断すべきでしょう。
このような経営者につく社員は、だいたい自分のこ
としか考えていませんから、企業活動は、低調にな
ります。

在籍する一般社員は、このような状況をよく把握し
ており、意見を述べたりすることがありません。
また、このような経営者は、一般社員から企業実態
を把握するようなこともないでしょう。
私のようなタイプは、告げ口から解雇になりました
が、気にすることはありません。
所詮、そのレベルの経営なのです。

ソニーと真逆といってよいでしょうか。
私がいた時代のソニーは管理職などは、積極的に経
営層に意見をいい、経営層も意見をよく聞いていま
すが、決定的に違うのは、経営層が現場を歩くこと
です。
現場の実態と管理職などの見解が乖離していないか、
自らの目と耳で確認していきます。
生半可な意見だけで経営判断をすることはありませ
ん。

当たり前の結果ですが、前社の経営は破綻(倒産)
し、後者は、業績のアッダウンはありますが継続的
に発展、成長しています。

経営は、シンプルなものです。
むずかしく考えることはありません。