機能不全に陥る社会

社会のいろいろな場面をみるにつけ、社会は機能不全に陥っていく
ように感じるのは、私だけでしょうか。
コンプライアンスと叫べば叫ぶほど、コンプラは低下していくよう
ですし、また、経営スピードをあげれば、あげるほど経営課題は増
加していくように思えます。

社会全体をよくしていくために多くの機能を作りあげていきますが、
むしろ機能不全をおこしているようにもみえます。
人間社会は、理想とする社会像と人間がもつ感性とが、うまく折り
合いがつかいない状態とでもいうのでしょうか。
益々、混沌とした社会になっていくようです。

頭で考えた社会は、人間がもっている本質からむしろ遠くなってお
り、言葉や会話を前提とした社会像にひずみが出ているのかもわか
りません。

理想を語ることは簡単ですが、人間が行動として体現できるまでに
は多くの教育、とくに行動を伴う体験教育(社会的な教育)が必要
でしょうか。
頭でわかることと、行動に移せることは、まったく次元が違うこと
だからです。

社会のいろいろな場面をみるにつけ、なにか欠落したものを感じて
しまうのは、言葉が優先される社会からは物事を変えていくものが
なにもうまれてこないという虚無感を生み出すからではないでしょ
うか。
この点は、これからも深刻な問題を提起するのではないか、と考え
ています。

そもそも行動から生まれる変革は、多くの時間が必要です。
この前提が理解されない社会は、コアがない浅薄な議論と浮薄な行
動を繰り返す社会を生み出しているのかもわかりません。

いずれにしても、むずかしい時代を背負っていることは間違いない
でしょう。