領収書・請求書との格闘

私自身も確定申告(青色申告)をしていますので、
毎年、伝票との格闘でしょうか。
領収書や受取請求書などの書類は、すぐにたまっ
ていきます。
後でまとめてやろうと考えた瞬間、書類は分類さ
れることなく山になって集合しているものです。
山をみると、さらに高い山になる、という諺でも
できるかのようです。

昨年から私は、空いた時間を利用して領収書や受
取請求書を電子保管しています。
Amazonなどのネット購入による領収書は、フォ
ルダを作成して請求書データで保管し、管理して
ます。
請求書の発行には、今年から弥生会計のMisocaを
利用して電子化しています。

他方、仕事で使用する文具やちょっとした備品な
どを購入するたびに紙の領収書が増えます。
この点は、やよい青色申告オンライン版のスキャ
ンデータ取込を利用して電子保存しています。
このシステムのよいところは、スマホ用の専用ア
プリがあり、スマホのカメラを使って領収書など
をやよい青色申告オンライン版の専用ストレージ
へ簡単に保存できるところです。
しかも、やよい青色申告オンライン版では検索機
能がありますので検索も楽にできます。

私でさへ使えるのですから、若いひとなら、さら
に容易に利用できるでしょう。
このようにあらゆる会計ソフトが電子保存に対応
してきていますので、この機会をとらえてはやめ
に記帳を進め、1月、2月には、余裕をもって確
定申告に臨むことができます。

令和3年度の確定申告は、十分時間をとって仕訳
誤りの訂正や個人事業主にだけある家事按分
(生活費を経費にする)の作業に充てることがで
きました。
時間的な余裕がないと、家事按分に対する細かな
内容把握はなかなかむずかしいものがあります。

電子帳簿保存は、このような体制づくりには、大
きなチャンスになると思われます。
また、このようなことができるかどうかで、次の
ステージの展開も変わってくるのではないでしょ
うか。

大手企業と中小企業経理のむずかしさの違い

経理の仕事をしていると、中小企業の経理は、大手企
業と違うむずかしさを感じます。
理由は、経理処理が千差万別だからです。
いわゆる簿記でならったような仕訳ばかりではありま
せんし、発生主義会計現金主義会計がまざっている
のも特徴でしょうか。
大手企業では考えられない対応が求められます。

大手企業や上場を目指す企業では、その前提となる会
計処理が厳格だからですが、厳格とは別な言葉で言い
直せば会計処理が標準化されているということです。
その上、会計システムが充実していますので、比較的
経理の仕事は単調なものでしょうか。
むしろ月次決算のために経理処理の正確さとスピード
が要求されます。

もっとも、大手企業などでは、管理会計が必要になり
ますので、こちらの対応のほうが非常に多くの作業時
間を取られます。
現場と会計をつなぐ部分は、人が介在すればするほど
複雑化していきます。
現場要素を会計的な指標に落とし込むことが求められ
、現場をひとつの経営単位とみなしていくことで経営
判断的な要素も入ってきます。
きめ細かな部門運営をすればするほど、会計的な対応
も複雑化していきます。

他方、中小企業では、管理会計をやっているところも
あるでしょうが、私が対応している企業ではそこまで
やっておりません。
むしろ経理処理は、企業規模や従業員数、個人か法人
かで結構違いがあります。

大手企業などと大きく経理処理が違うのは、その処理
をする期間でしょうか。
大手企業などでは月次決算をおこなっていますので、
日々の経理処理に追われます。

一方、中小企業では、2か月、3か月、6か月、遅い
場合は1年間まとめて伝票等を計上することです。
月次で対応するところが圧倒的に少ないのが現状でし
ょうか。
中小規模では、自ら商売してますから、月次の売上と
経費、そして大雑把な利益は、およそわかります。
あわてて経理処理を依頼する必要もないのです。
どちらかと言えば、確定申告のために経理処理をして
いることになるでしょう。

それでも電子帳簿保存法の施行により、ルールに乗っ
取った対応が必要になってきます。
私は、可能な範囲で電子帳簿保存に対応していくよう
アドバイスしています。

何事も一気にやるといろいろなところに支障がでるか
らです。
また、私は大手企業で経理をしてきた関係で月次処理
が体にしみついているようです。
自らの会社(個人事業)の記帳でも、昨年から電子帳
簿保存にし、2か月以内に請求書や領収書の記帳をお
こなっています。
このやり方のほうが、会社勤めの時代と同じで自分に
はあっています。

また、この方法だと、最終的に確定申告前に記帳内容
を十分チェックをすることができ、節税対策も可能に
なると考えています。