ソニー子会社時代のマネジメントを分析できるのか、と長く考え
ていました。
あまり例がないマネジメントスタイルですから。。。
ソニー子会社以外にお目にかかったことがないわけですから、世の
中を探しても間違いなく少数派でしょう。
中小企業には、このようなマネジメントやっているところもあるの
かもわかりません。
それにしても人に伝えるのがむずかしい。
そこで今読んでいる「失敗の本質を語る」野中 郁次郎 (著), 前田
裕之 (その他)を参考にしてみます。
リッカート は、 原因 変数 → 媒介変数 → 結果 変数 という モデル
を つくり まし た。 原因 変数 は、 小 集団 の メンバー が リーダ
ー を 支持 する 関係、 連結 ピン 組織 と 高い 目標、 媒介変数 は
上司 に対する 好意的 な 態度、 高い 信用 と 信頼、 優れ た コミュ
ニケーション、 集団 への 強い 帰属 意識 などからなり、 低い 欠勤
・転職、 高い 生産性、 少ない スクラップ、 低い 原価、 高い 収益
という 結果 を もたらし ます。 バークレー では、 米 ミシガン
大学 で リッカート の 同僚 で ある アーノルド・タンネンバウム が
客員 教授 として リッカート 理論 を 教え た の です が、 クラス
を 重複 する 小 集団 に 分け、 まさに 連結 ピン 組織 を 編成 し て
参加 型 の 授業 を 展開 し まし た。 小 集団 が 自ら 高い 目標
を 求める よう に なる と 生産性 が 高まり ます。 集団 の メンバー
を 従わ せる 力 には、 合法 力( 組織 から 公式 に 与え られ た
権限 に 基づく 力)、 報償 力( 報酬 を 与える 能力 による 力)、
強制力( 処罰 が できる 力)、 専門 力( 自己 の 持つ 専門的 な
知識 によるによる 力)、 同一 力( 一体感 に 基づく 力) が あり
ます。 この なか で 最も 範囲 が 広い のが 同一 力 です。 人間 が
他人、 集団、 規範、 役割 などに 同一性 を 認める と 拘束 さ れる
力 を 指し、 集団 の メンバー との 一体感 と 言い換え られ ます。
個人 の 友情 や 愛情、 忠誠 による 自己 統制 は 同一 力 による 統
制 で あり、 強い 拘束力 を 持ち ます。 集団 の 目標 が 自己 の 目
標 に なる ので、 目標 の 達成 に 向け て メンバー は 懸命 に 努力
し ます。 メンバー は 自発的 に 動く ので、 統制 さ れ て いる と
いう 意識 は 弱い の です。 メンバー 間 に 強い 統制 力 が 働き、
生産性 が 高まり ます。 リッカート 理論 は、 凝縮 さ れ た 集団 が
同一 力 に 基づく 統制 に従う、 理想的 な 管理 の 姿 を 示し た の
です。 タンネンバウム は、「 愛情 に 基づく 統制」 と 表現 し て
い まし た。 個人 と 個人 の 人間関係 論 では なく、 組織、 チ
ーム を ベース に し た 人間関係 論 で あり、 日本 の 実態 に 近い
内容 でし た。 組織 の 社会心理学 と 呼ん で いい でしょ う。
上記の内容に近いマネジメントがソニー子会社に存在していました。
ただし、私が在籍していた時代は、社員数は120名~300名です。
私の経験では、50名くらいから300名くらいまでが、企業が一番お
もしろい時代、玉石混交、いわば発展可能性を秘めた時代だ、と考
えています。
日本的マネジメントとは違います。
個人の独自性が尊重されるので、日本的な組織中心型(親分、子分
型)ではありません。
あえて言えば、役員から従業員までフラット型と呼んだほうが合う
のかもわかりません。
仕事は、理屈でないから面白い。
しかし、理屈を学ぶことを忘れてはなりません。
自分に酔い、溺れるからです。