常に米国しだい

株価に限らず常に米国しだいというのが、わが国の立ち位置では
ないでしょうか。
敗戦国として経済成長を勝ち得たのも米国の存在でした。
また、東西冷戦の状況下では、わが国の地理的な位置も重要でし
た。

当然ですが、このような米国従属型成長ですから、常に米国経済
の中にある日本でしかありません。
株価は、その特徴をもっともよく表しているのではないでしょう
か。
近時は、為替でしょうか。

米国追随型経済は、非常に効率的に経済成長ができましたが、今、
わが国がやらなければならないのは、やはり独自性と国際的なアラ
イアンスをどう作るかではないでしょうか。

水素の利用は、その点では格好の材料です。
トヨタは、FCVの轍を踏まないように積極的に水素を世界へ押し
だす努力をしています。
FCVも車に限らず利用範囲は広いでしょうか。
やりようでは、簡単に他社のまねをするのではなく、独自性と協調
性を融合してはるかに有能な技術へ転換することが可能です。
また、日本人の協調性という文化ともうまくかみ合います。

トヨタがはじめている水素利用の努力は、案外、この国の未来をか
えるのかもわかりません。

電力自由化という名の疑似競争

電力自由化が叫ばれて、はやくも20年を過ぎようとしています。
私が新電力と契約しなかったのは、電力などの社会インフラを支
える事業は競争になじまないと、考えていたからです。
さらに東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所の事
故があり、利用していた者としてはその責任の一端を担うべきだ
ということからです。

電力小売りの自由化は、大手電力会社が地域ごとに独占していた
電力業界へ新規参入を促そうと、2000年以降、段階的に実施
されました。
報道によれば、新電力会社は昨年4月時点で約700社あったよ
うですが、ウクライナ戦争により、液化天然ガスなどの価格が急
上昇し、電力販売は売れば売るほど赤字となり新電力の撤退が増
加しています。
オーストラリアでも自国の供給を優先し、輸出を停止する動きが
あるようです。
わが国のエネルギーや食糧供給は、ウクライナ戦争が終結しても
なお大きな課題として残っていくでしょう。

私は、電力やガスなどの自由化には懐疑的でしたが、資源をもた
ないわが国のような場合、有事にこのようなことが起きることは、
予想できたことです。

人間とは、常に自分を中心に物事がうまくまわるという幻想をも
っている生き物ようです。
また、うまくいっているときに、危機に対する対策が打てない生
き物でもあります。
エネルギー政策にかぎりませんが。。。

電力に限らず穀物や食肉など、多くは海外に依存しているわが国
は、相当な覚悟で国の作り変えをおこなう必要がでてきたようで
す。
改めて、国家100年の計が必要な時代なのかもわかりません。

危機とは、危険と機会と、ある本に書いてありましたが、まさに
時代の転換点にいるのでしょうか。