普段、人間がみている景色は、案外狭いと思います。
なにかあったとき、たとえばけがや病気などをすればよくわかり
ます。
今、少し腰を痛めていますが、それだけで洗面台がこれまでの距
離と違い、遠く離れてみえます。
こんなに蛇口や洗面台が小さくみえるのか、と感動すら覚えます。
日頃、それだけ腰に負担をかけて生きているのです。
何気ない日常とは、本当は、意識することなく生きているという
証なのです。
このような経験を通して人間というものは、ということを知る機
会になるでしょう。
人間とは、ひとつひとつの経験の積み上げから人間そのものを理
解していく生き物なのかもわかりません。