部門長は刑務所へ

私が在籍していたソニー子会社は、エンジニアリングの仕事がメイ
ンであり、営業部門はソニー本体に所属していました。
その営業部門を統括していた部門長は、しばしば私が在籍していた
子会社へも足を運んできていました。

私がソニー子会社を退職した時代に、この部門長もソニーを退職さ
れ、あるベンチャー企業へ社長として転職されました。
しかし、1年もたたずそのベンチャー企業を退職され、自ら起業さ
れました。
この企業は、のちに日経ベンチャー大賞を取るなど将来を有望しさ
れていたようです。
経歴も東京大学卒ですからね。

ほどなくして新聞で逮捕された、と報道がでました。
理由は、実態がない会社であり、ある大手企業から粉飾した財務報
告に基づき多額の出資を得ていたというものでした。
簡単に言えば、詐欺です。

人生、一歩間違うと、学歴などの要素にかかわらず転落するという
現実。
当然、詐欺の内容が悪質でしたから、本人は、すでに60歳前後にな
っていたように思いますが、実刑となり収監されました。

これもまた諸行無常でしょうか。

役所からの電話はちょっと油断する

電話を使った詐欺はメディアなどでしばしば報
道されますが、私のところでも、この4月、役
所を名乗った電話が3回ほどありました。
役所からだと、私のような無礼者でもいきなり
電話を切ったりしません。
そこが悪い連中のしたたかなところでしょうか。
しかも、実際にありそうな内容なのです。

これには私も振り回されました。
それでも、話をよく聞いていると携帯の電話番
号を教えてくださいなど、私はなにかひっかか
るものがあるので、教えられません、と答えて
おきました。
また、そちらに電話しますので電話番号を教え
てください、というと、たちまち電話が切れま
した。

折り返し電話します、という手順は会社勤めを
していたときに学んでいたことです。
企業というところも、悪い連中の標的になるら
しく、あらゆる電話があります。
また、いかがわしい連中が直接訪問してきます。
こういった連中を排除するために警察や弁護士
などと連携を取りながら対応していきます。

役所に弱い日本人、私も同じですが、つい話を
聞いてしまいます。
そこが悪い連中のねらい目なのでしょう。
警察署や市役所などを語った怪しい相手先には、
折り返し電話するのでと言えば、たいてい化け
の皮がはがれます。
それでも、さらに2回電話してきますから、悪
い連中も根性が座っています。

このような連中には、こちらも相応の備えをし
て対応しなければなりません。
ネット空間だけでなく、現実社会もやっかいな
ことが多くなり、暮らしにくいと思うのは私だ
けでしょうか。