足腰を強くする

私は、原理原則を踏襲するタイプです。
立場が弱い人ほど、なにかに頼る気持ちはわかりますが、独立独
歩でやりぬく決意が必要ではないでしょうか。

メディアを賑わせていることも、しいて言えば、なにかに頼って
票が欲しいということなのでしょう。
本来、自分の立場を明確にして毅然としておかなければならない
立場の人たちがこのような態度では、国の行く末が心配になるの
は当然です。

企業とて同じです。
自らの商品やサービスに自信をもち、堂々と商売をすることが成
功する近道ではないでしょうか。
もっとも、短期の成功ではありません。
あくまで長期的な成功です。

株式上場を目指す企業は、まさに長期的な成功を目指すことにな
ります。
ゆえに、原理原則通り経営管理をおこなうことが求められます。

どんなにシステム化できたとしても、株式公開をしている企業で
は、人材の成長なくして経営管理は成り立ちません。
基本を忘れたところに成長も革新もありません。
愚直に、経営の基本原理に則って経営をおこなうだけです。

経営判断には、人間力が求められます。
時代がどのように変わろうとも、この原則が変わることはないで
しょう。

バランス感覚がよい経営者

私の仕事のなかでバランスがよい経営(法人)をさ
れている経営者さんがいます。
まず、きちんと整理された領収書、請求書などが届
くことです。
これができない企業と個人事業主さんは結構いるの
です。
これなら経営者さんがご自分で記帳できるのではな
いか、と思ってしまうくらいですから、私が試算表
を送付する以前に売上、経費、利益の大枠を掴んで
おられるはずです。
さらに、ITに詳しく、いろいろなやり取りはネット
を通してデジタル化して対応ができます。

おそらく、この経営者さんが会計専用ソフトを学べ
ば、すぐに経理処理ができるでしょう。
このようなタイプの経営者さんは経営数字にもバラ
ンス感覚のよさが現れます。
最初にみた交際費について、私は少し多いのではな
いか、と考えておりましたが、通期でみると売上に
対して一定の割合になっており、よく考えて使って
おられることがわかりました。
売上、経費、利益のバランスがよく、いうまでもな
く税金もしっかりと納付しておれます。
もちろん、無借金経営です。

私が仕訳などでミスをして電話を入れても、実にさ
っぱりとした対応をしていただくので、こちらが恐
縮するほどです。
私自身が、この経営者さんの経営を見習いたいと思
うくらいです。

現在、一人で仕事しておらる関係で受注額によって
は、外注さんを入れて仕事を回しています。
これからさらに受注額を上げていくか、現状維持で
経営していくかの分岐点に差し掛かっているように
感じます。

社員を雇用して、経営を次のステージへ上げていく
かどうか、コロナ化の今はむずかしい判断になるで
しょうが、この方の理にかなった経営はいずれ社員
雇用のステージにいくような気がします。

社員を雇用すると一人で経営してた時代と異なり、
それなりに経営に変化がでてきますから、ステージ
が変わる経営のかじ取り、いわば経営判断と実行力
が、改めて試されことになるでしょう。

おそらく経営には、ステージごとのバランス感覚が
強く求められるのではないか、と考えています。
この点を踏まえて、ステージごとに慎重に事業展開
を進めていくことが必要なのかもわかりません。

しかし、経営者になる人たちは、案外、このような
ステージの転換をあっという間にやってしまいます。
だからこそ、私とは違い真の経営者なるのだと、思
います。

特定の社員の話しか聞かない経営者

私が在籍した企業のなかには、特定の社員の話しか
聞かない経営者(創業者)がいました。
当然ですが、このような経営者は、企業活動の全体
をみることができません。
特定の偏った意見によって企業経営をおこなうから
です。

このタイプの経営者は、創業当時から在籍している人
や、中途採用の中で自分が気に入った人だけに意見を
求めます。
古くからいる社員は気心が知れ、話しやすいのはわ
かりますが、少なくとも株式上場を検討しているス
テージでは、組織機能を担える能力があるかどうか
で社員を判断すべきでしょう。
このような経営者につく社員は、だいたい自分のこ
としか考えていませんから、企業活動は、低調にな
ります。

在籍する一般社員は、このような状況をよく把握し
ており、意見を述べたりすることがありません。
また、このような経営者は、一般社員から企業実態
を把握するようなこともないでしょう。
私のようなタイプは、告げ口から解雇になりました
が、気にすることはありません。
所詮、そのレベルの経営なのです。

ソニーと真逆といってよいでしょうか。
私がいた時代のソニーは管理職などは、積極的に経
営層に意見をいい、経営層も意見をよく聞いていま
すが、決定的に違うのは、経営層が現場を歩くこと
です。
現場の実態と管理職などの見解が乖離していないか、
自らの目と耳で確認していきます。
生半可な意見だけで経営判断をすることはありませ
ん。

当たり前の結果ですが、前社の経営は破綻(倒産)
し、後者は、業績のアッダウンはありますが継続的
に発展、成長しています。

経営は、シンプルなものです。
むずかしく考えることはありません。