なぜ、ストレスに弱い私がソニーでうまくやれたのか

昨日書いたように、私は組織のストレスに弱い
タイプです。
では、そんなストレスに弱い私がソニーでは、
なぜ、うまくやれたのでしょうか。

理由は、いくつかあります。
私にとって一番の理由は、適法経営でしょうか。
違法なことをやるような経営者や管理職がいな
いということです。
もっとも、人間は完全ではありませんから、非
常に少ないということです。
このことの前提には、業務監査(抜き打ち)、
会計監査(抜き打ち)といった内部監査制度が
仕組みとして機能しているからです。
詳細は別な機会にさせていただきますが、この
ような適法経営が確立しているので、私がもっ
ている組織に対するストレスが大幅に軽減され
ます。
私が、経営者や管理職の姿勢を心配する必要な
どないからです。
問題があれば、個々に指摘することも可能です。

二つ目は、個人の意思を尊重した経営スタイル
です。
簡単に書けば、部や課の事業計画の策定責任が、
各管理職にあり、個人の自由度が高い経営スタ
イルになっています。
当然、このような経営スタイルは、トップダウ
ンで指示されるわけではありませんから、個人
の能力があからさまにもなります。
その意味では、ストレスが増大する人もいたで
しょうが、降格人事と敗者復活もあるので組織
に対するストレスではなく、仕事に対するスト
レスになるかもわかりません。
仕事のストレスは、どのような企業でもあるこ
とではないでしょうか。
私は、仕事に対するストレスは弱くはないでし
ょう。

三番目は、このような自由度が高い経営スタイ
ルは、企業内における個人間の仕事に対する姿
勢を高め、さらに異なる部や課との間の非公式
なコミュニケーションによる政策立案能力が高
まり、チームとして一体感をもった仕事ができ
るようになります。

これだけではありませんが、ソニーにおける仕
事で組織的ストレスがたまらず、むしろフロー
現象
の中で仕事ができたことが、今日の私を作
ってくれたと感謝しています。

このような仕事環境が沢山生まれることを願う
ばかりです。

組織のストレスに弱い

昔から私は、ひとりで行動することも多く、大
勢の人たちとうまくやっていけるほうではなか
ったような気がします。
どういうわけか、私は、自分の心の中で人の動
きなどが、不思議なくらいによくみえるようで
した。
その影響か、自分の心の中に世の中をみる軸が
自然とできあがったようです。

会社へ入ると、この傾向は益々強まり社会と会
社(自分が所属する組織)、そして自分の行動
を、自分の心の中でいろいろと判断しながらす
るようになりました。
このような自分の尺度を使いながら、組織が正
しくない方向へいこうとすると、私にはストレ
スとなって帰ってきます。

私は自分の軸に忠実に行動しますから、自分の
中のストレスが増大し耐えきれなくなると、企
業を退職するようにしていました。
もっとも、私は経営者へも相応の主張をします
ので、私が自分を解放する前に、首だといわる
こともありました。

それでも組織的なストレスに弱いので、首の方
が、妻にも申し開きができ自分の中にあるスト
レスから解放されて、とてもハッピーだったよ
うに思います。
家庭人としては落第ですが、もがきながら、次
の仕事を探したものです。

人は、ひとりひとり違います。

自分にあった人生をどのように生きるかは、最
終的には、自分にしかわかりません。
厳しいようですが、それが人生ではないでしょ
うか。