田植えも、刈り取りもはやい

この地では、4月29日前後に田植えがはじまり、5月3
日ごろには終了しています。
昔とちがい、大勢で田植えをする光景などまったくあ
りません。
だいたい、農家の方がひとりで田植え機を運転しなが
ら田植えをおこなっており、この当たりの田んぼひと
区画なら1時間もあれば終わってしまいます。

稲刈りは、8月下旬にはじまり、コンバインを使ってお
こないますから、こちらも2時間もあれば終了です。
私がみてきた田植えや稲刈りの景色とは、隔世の感が
あります。

農業的景色と工業的景色の違いでしょうか。

それでも田んぼで暮らす生き物たちにとって水田はな
くてはならいものでしょう。
田んぼの風情は、これから育っていく稲と生き物たち
をみていくなかで感じることができます。
毎年同じ景色をみているのですが、心のなかの原風景
を呼び覚ましてくれるから不思議です。

生き物たち同様、私にとっても、水田は心を穏やかに
してくれるものであり、なくてはならないものなので
す。

田に水がやってきた

私の好きな田んぼが輝く季節がやってきました。
この季節は、田んぼが湖のようになり、田んぼの水面が輝く
ようになります。
それは、まるで湖そのものように見え、田んぼが神秘的にな
る瞬間でもあります。

今年もこれから8月の稲刈りまで田んぼが見せる顔は多様で
す。
いろいろな生き物たちとの出会いも、また、不思議な光景な
のです。
カエル、カメ、メダカ、アメンボ、カモ、サギ、いたち、へ
びなど多数の生物たちの楽園と化すのです。
まさに、田んぼにおける多様な環境のはじまりが、田んぼの
水入れからでしょうか。

冬の散歩は早足

今日は今季一番の寒さでしたが、冬の散歩のよい
ところは、なんといっても早足。
寒いのですぐに早足になりますし、1時間も散歩
すれば、その距離は春や秋の1.5倍くらいになるで
しょうか。

里山や田んぼの散歩は、四季折々の景色をみること
ができ1時間ほどの散歩はあっという間です。
なかでも冬の散歩のよいところは、とにかく体が温
まり、澄んできれいな青空と田んぼや里山が放つ少
々モノトーンに近い景色の対比を楽しめるところで
しょうか。

休耕田の枯れすすき

この季節になると田んぼは農閑期となり、比較的自
由にあぜ道を歩くことができます。
稲刈りまでの田んぼで近づけなかった場所へいくこ
とができるのも晩秋や冬の散歩のよいところでしょ
うか。

私の背丈以上に伸びた休耕田のすすきは、田んぼが
青々としたとき遠くから眺めるだけでしたが、今の
季節はまじかに見ることができ、すすきはこんなに
背が高かったのかと、驚いてしまいます。
おそらく、これはすすきではなくヨシ(葦)だと思
いますが。。。

春先から初夏にかけ新しく芽吹いたヨシ群には「オ
オヨシキリ」の独特な鳴き声が響きわたっています
が、この季節、すすき(ヨシ)の中は閑散として枯
れすすき(ヨシ)だけがもの悲しくたたずんでいま
す。

カラスウリは冬をよぶ

里山にカラスウリがみられるようになると、秋は自
分が感じているより深くなっているものです。
それでも赤く熟れた実のときは暖かな天気が続き、
田んぼや里山を歩くにはよい散歩日和でしょうか。

カラスウリの実が枯れてくると本格的な冬が訪れま
す。
干からびてしぼんだ実をみるようになると、散歩は
冬の装いが必要になる季節です。
カラスウリは、季節の変わり目を知る身近な自然の
指標かもわかりません。
明日は木枯らし1号が吹くようですから田んぼにも
じき北風小僧がやってくるでしょう。

偶然は、いつも楽しい

やっと脊柱管狭窄症の治療が終わり、好きな田んぼ
の散歩へ出かけることができるようになりました。
今年は歩けなかったのでほとんど田んぼの散歩をし
ていませんでしたが、田んぼはすでに冬支度のよう
です。
それでもちょっと田んぼを歩いてみれば、ベニシジ
ミに出会えました。

生き物や植物との偶然の出会いは、人生の心地よい
瞬間でしょうか。
眺めているだけで楽しいものです。