判断を間違うことがある

企業で働けば、いやでも判断の連続です。
判断を間違うことがあるのは当然です。
とくに経験していない場合、判断はむずかしいものになります。

私が経験したなかで一番大きな判断の間違いは、労働基準監督署
の臨検です。
経験がなかったことや、株式公開を目指していたので労働基準法
に基づく運用改善をおこなっており、問題はないだろうと、軽く
考えていました。
本来であれば、この時点で労働問題専門弁護士と連携しておかな
ければなりませんでした。
詳細は書けませんが、やはり法的な手順が必要です。

その後、是正勧告をもらいましたが、承服できない私は、社長へ
相談の上、労働専門弁護士を訪ねて詳細を報告し対応してもらう
ことになりました。

適法にやっている根拠を明示し、弁護士同席の上で約1年ほどか
けて是正勧告を取り下げてもらいました。
時間はかかりましたが解決できました。

人間は経験がない場合、判断を誤ることがありますが、日常業務
を適切におこなっていれば解決策はみつかります。
先ずは、与えられた自分の仕事をきちんとやっておくことがベー
スになりますが、そこからどうリカバーするかを考えることが、
さらに重要です。

あきらめず、自分で問題解決のシュミレーションしてみることで
しょうか。
もっとも、理解ある経営者の存在があって成しうることです。
すべては、有能な弁護士を含むチームワークです。

部下がいつまでも働く

ある企業に在籍しているとき、私は仕事がなければさっさと帰宅
しますが、部下が仕事をしている場合があります。
この場合、仕事の量が多いのか、いわば人員が足りないのか、あ
るいはシステムを導入して業務量を削減するか、を考えます。

それでも当面の残業は大丈夫か、私が手伝うか、あるいは他の社
員へサポートしてもらうかなどを部下に確認します。
他の社員が手伝ってくれるので私の手伝いは不要といわれました。
それでもできる限りはやく帰宅するように指示します。

明日できるものは明日にが原則。
仕事と残業の問題はなかなかむずかしいのですが、私は原則、可
能な限り部下をはやく帰宅させるほうです。
定型業務で残業してまで仕事すること自体に疑問をもっています。
残業が多い場合、なるべくシステム化する方向で検討するように
しています。

私は可及的すみやかな仕事がある場合を除いてできるだけはやく
帰宅します。
なにも仕事がないのに机の前にいることが耐え難いのです。
他方、創業経営者に気を使って遅くまでのこっている管理職を軽
蔑しています。
このようなタイプの管理職ほど仕事ができないことが多く、トラ
の威を借ることで社員を動かすことしかできません。

経営者とその下の管理職をみれば、だいたいその企業の体質はわ
かります。
このタイプの企業は、早めの撤収(自主退職)をおこないます。
時間の無駄になります。

人手不足は賃金上昇のきっかけ

コロナ感染症からの経済の回復で人が不足してきているようです。
最低賃金の引き上げなどいろいろな施策をおこなってきましたが、
なかなか賃金があがってきませんでした。

人手不足は、当然、賃金上昇のきっかけになるでしょう。
求人をだしても人が集まらなければ、企業は、少しづつ賃金をあ
げながら再度求人活動をおこなうからです。
それでも集まらなければ、将来を検討をしながら、例えば、事業
を終わらせるという選択や企業を他の企業へ売却するといったこ
と、あらゆる手立てを考えることになります。

人手不足は厳しいようですが企業の淘汰を促進します。
低い生産性の企業から高い生産性の企業へと人が移ることで賃金
が上昇していくでしょう。
もっとも、政府が中小企業対策などで生産性の低い企業へ資金が
入ると、これまでのように生産性が低い企業が生き残っていきま
す。

現在、コロナ対策で政府の予算は枯渇してきているでしょうから、
従来のような中小企業対策は打ちにくいのではないでしょうか。
コロナに限らず感染症対策、あるいは官や民におけるデジタル化
普及のための政策資金など、これまでと同じように中小企業対策
をおこなうことは、段々むずかしくなりそうです。

その意味で人手不足は、企業に改革を推し進めてくれる動機をも
たらしてくれます。
円安がいつまで続くかわかりませんが、外国人の入国制限が撤廃
されれば、観光バブルになる予想があります。

わが国は、自立した改革は苦手ですが、与えられた試練を乗り越
えるとき、はじめて改革ができるという特徴があります。
コロナ化ですが、わが国には、生まれる変わるチャンスがきてい
るのかもわかりません。

周辺国は、まだまだ物騒な状況にありますが。。。

ファイルの仕方も知らなかった

私がソニー子会社で総務(人事)の仕事をはじめましたが、当初、
創業二か月目であり上司の机の上は書類だらけでした。
書類の山のなかから、あれをもってこい、といわれても探すだけ
で大変な作業でした。
そのうえ、日ごとに上司の机の書類の山は高くなるばかりでした。

それでもなんとかやっていると、入社半年も過ぎたころでしょう
か、書類を整理するぞ、と一声。
これまで営業しかやっていない私は、書類の整理の仕方がわかり
ません。
上司に言われるままに、ファイルを注文し、ファイルが届けば、
背表紙をワープロで印刷して上司へ渡す日々。
いつの間にか上司の机の上の書類は片付きました。

今後、お前は種類がきたらファイルへ差し込んでいけと、指示さ
れました。
また、保管庫も書類別にきちんと整理整頓され一目で書類のあり
かがわかるようになっていました。

タバコばかりふかしているこの上司で大丈夫かと、思っていまし
が杞憂でした。
やはり基本ができている人は違います。
立ち上げ期、時間がなかったことで書類の整理が後回しなってい
ただけでした。

書類の整理の仕方など知らない私ができるようになったのは、こ
のようなプロセスからです。
その後、株式公開を目指す企業へ移りましたが、文書管理システ
ム、給与や勤怠管理システム、あるいはERPといったシステム
導入にかかわれたのは、この時期、マニュアルでファイル管理を
していたおかげです。

現在、大手企業などではペーパーレス化が進み、マニュアルのフ
ァイル管理など少なくなっていると思いますが、可能な範囲で基
本からやっておくことは重要です。

私自身、現在、電子帳簿保存法に基づくペーパーレス化をおこな
っていますが、マニュアルで作業していたときよりはるかに短時
間で経理処理ができます。
いわばデジタル保管庫にファイルをしまっているようなものです。
場所を取らず、動かず、簡単にアクセスできます。

働くけど、休む

私は仕事に関して妥協できないタイプですから、やるときは徹底
的にやります。
部下を道ずれにはしません。
部下は、帰宅させて自分ひとりでやります。
理由は、自分の仕事だからです。
この流儀は、サラリーマン生活のほとんどだったでしょうか。
残業代をもらおうが、もらうまいが関係ありません。
自分の仕事だからです。

このような状態で死亡することだけが心配でした。
家族やそのまわりの人たちは、私の意思で仕事をやっていると思
うことは稀でしょう。
これだけは、会社に迷惑をかけることがあるかなぁ、と私の心配
ごとでした。

だからこそ、体の調子が悪い場合、すぐに帰宅して寝る、翌朝、
病院へいくということも徹底していました。
あるとき、体調をくずして帰宅する電車の中で社長から携帯電話
に連絡がありました。
体調が悪いので帰宅しています、というと、社長は、わかった、
の一言。

私も気にしませんが、社長も動じません。
企業では、これくらいの関係が普通に必要です。
自信をもって仕事をし、体調が悪ければ自分で管理する。
私にとってどの企業においても同じ行動をしてきました。

一般論としての仕事のあり方と個人の仕事あり方には違いがありま
す。
人間も違えば、企業も違い、やっている仕事内容も違います。
健康状態も同じです。

すべては、自分からはじまり、そして自分でおわります。

ワークフローを立ち上げたのはいつだったか

私がワークフローを立ち上げたのは2003年頃でしょうか。
当時からワークフローの導入は、各企業で検討されていたように
記憶します。
ERP全盛期でしたから、当然、ワークフローもその流れの中で検
討しました。

数社検討した結果、富士通のワークフローを導入しましたが、当
時は電子帳簿など夢の中でした。
ワークフローを導入する理由は、デジタル化ですが、請求書や領
収書などの伝票類は紙ベースでした。

この中途半端は状況は、業務改善を中途半端にします。
それでもこの企業の経営者(創業者)は、やる、と一言。
先を見越せば、当然やっておくべき課題だ、と話したのが印象的
でした。

当時、人事を担当してい私は、人事労務系のワークフローを立ち
上げましたが、労働基準法に準拠したレベルで導入ができ現場担
当者の雑務からの解放と人事部門の事務仕事の大幅な軽減ができ
たことが大きな経験となり、その後の立ち上げ業務に活かすこと
ができました。

昨日、次の記事を目にして驚愕しました。
50代経営者・役員の7割以上が、ワークフローシステムを「まっ
たく知らない」と回答

私にとってワークフローとの付き合いは、約20年前のものです。
この国のデジタル化の進捗がよくわかる話です。
コロナ化、やっとデジタル化に舵を切った政府にもあきれますが、
この国はどうなってゆくのだろうか、と心配するのは、私だけで
しょうか。

コロナという感染症のおかげというには、あまりに多くの犠牲者
がいることに、喜んでばかりいられませんが、デジタル化を推進
してくれた功労者でもあります。

世の中というのは、ときに残酷な仕打ちによってしか変わらない
のかもわかりません。
デジタル化だけではありませんが。。。

アイデアの検討は複数人で

私は仕事に限らずアイデアを考えるとき、複数人で検討すること
にしています。

今日、自宅でアイデアが必要ケースがありました。
一か月前くらいからいくつかのアイデアを検討していましたが、
妻が出したアイデアがもっともよい、と思うアイデアでした。
実際、アイデア通りに作業してみましたが、私が考えていたアイ
デアより簡単で適切なものでした。

自分のアイデアに固執することなく、いろいろな人たちとアイデ
アを出し合えば、案外、よくできたものになります。
私は、昔から部下たちにアイデアをしばしばだしてもらい仕事を
助けてもらいました。

上司や経営者に評価された場合、必ず部下の名前を出します。
仕事とは、みなでやりぬくものだからです。
とくに私のような平凡な上司は、部下に助けてもらわなければな
になにごとも進みません。

私の仕事人生は、よき上司と有能な部下たちのおかげです。
感謝しかありません。

弁護士の指摘も聞かない

弁護士の指摘も聞かない経営者は、少なからずいるものです。
私が在籍した企業の経営者でも同様なケースはありました。
結果は、経営破綻です。

経営者として仕事するのであれば、少なからず弁護士の指摘に
は耳を傾けるべきです。
そのうえで自分の考えていることを話し、アドバイスしてもら
うことができるかどうかが、有能な経営者と無能な経営者を分
けます。

法律違反になる場合は、犯罪ですから絶対に避けるべきです。
それでも自分の考えているようにやる場合、弁護士は顧問をや
めるでしょう。
そのような気骨がある弁護士を雇うことができるかどうかも経
営者の力量です。

物事は、素人が考えるほど簡単にいきません。
会計も同様ですが、そこにプロの目が必要になります。
プロの目と実務をつなぐのが、私たちのような実務型管理職で
しょうか。

企業の状況は、似ているようでもひとつとして同じものはあり
ません。
そこに実務型管理職の仕事の腕前が試されます。
だから、仕事はおもしろいのです。

働き方の中身は大丈夫

企業における働き方には、労働基準法に基づき、以下の制度が例
外的に定められています。
詳細は、資料等を読んでください。

・ 変形労働時間制
・フレックスタイム制
・事業場外みなし労働時間制
・裁量労働制
・高度プロフェッショナル制度
・適用除外(管理監督者等)

結論からすると、どれも要件があり、詳細な制度設計が必要です
が、多くの企業では、とくに中小企業ではおおまかに運用してい
るところもありそうです。

裁量労働制は、大手企業でも導入が進んでいるようですが、本当
に法が定めた要件を充足しているかという点で、問題もありそう
な気がします。
労使委員会の4/5の決議が必要などの要件がありますが、実態は
形骸化していると、考えています。

理由は、私自身が担当部門の責任者としてやってきたからです。
他にも理由がありますが記載できません。
多くは、残業代の削減が前提です。
大手企業の場合は、さすがにサービス残業目当ての導入ではあり
ませんが生産性の向上が前提でしょう。
いかに所定内以下で仕事を終わらすか、ということでしょうか。
簡単ではありませんが。。。
中小企業の場合は、サービス残業隠しもありますから、注意が必
要です。

わが国の場合、過去は残業代を含む賃金設計でしたから、労働基
準法が、そもそも現在の労働環境にあっていないということです。
過去は長時間労働と残業代で事業をおこなっていたのですが、そ
の前提は、長時間働けば成果物もそれだけ増えるという第二次産
業が主流だったということです。

現在、第三次産業ですから、長時間労働=成果物の増加とは簡単
にいきません。
それでもソフトウェア産業などは、長時間労働で働くことが当た
り前のようですが。。。
飲食業なども、長時間働けば、それだけ売上増になります。
総額人件費を下げたい企業からすれば、あの手この手で労働時間
制度を導入しようとします。
しかも、もっともらしい理由で。。。

このほか契約社員、パート、アルバイトなどを雇用するのは、い
かに人件費を下げるか、と日々考えているからです。
だからこそ、私は最低賃金1500円といっているのですが。。。

賃金を上げることは、付加価値がある製品やサービスを生み出す
ことを本旨としています。
この国はいつまでも低賃金状態で、いわば発想が人件費を下げる
という旧態依然なことをやるから成長しないのだ、と。
もっとも人件費だけでなく、コスト削減主義に呪われた経営者で
は、現状を打開することは不可能なのかもわかりません。
あまりにも不正などの問題が多くて。

疲れた国の一日が、またはじまりますが、今日は、なにに呪われ
るのか。。。

これからの労働時間制度に関する検討会報告書(厚生労働省)

働き方改革なんだけど

今日、働き方改革は相当進んでいるように思えますが、その本質
は労働強化なのかもわかりません。
生産性を上げるということは、一人一人が残業を減らしながら今
までの売上を維持するか、あるいはこれまで以上に売上を伸ばす
ことが求められるでしょう。

要は、企業側からすれば、総額人件費を下げながら、売上を伸ば
すための施策が働き方改革のはずです。
労働時間が減った分、売上も下がりますよ、では企業はもちませ
ん。

働き方改革の中身は、労働者の時間当たりの生産性を追求するこ
とになります。
とくに営業職や事務職には厳しいものになるでしょう。
所定内労働時間、いわゆる雇用契約で定められた労働者が働くべ
き時間、例えば、A社では9:00~18:00(8時間労働/休憩1時
間)といった具合です。
できる限り所定内労働で成果をあげることが、競争優位になりま
す。

残業規制が厳しくなっており、企業側は売上が減らなければ人件
費を削減したいので、働き方改革はウェルカムです。
要は、売上(利益)と総額人件費のバランスです。

その点、工場などの労働時間は、生産ラインの稼働時間で決まり
ますから、うまい棒ではありませんが、売行き好調時は労働者へ
過剰な労働を強いることになります。

人を採用していたら総額人件費が上昇し、利益が思いのほか確保
できません。
また、不況時における人余りで人件費が経営に影響を与えるため、
できる限り好調時でも既存社員を労働基準法違反となるまで働か
せたいという誘惑にかられます。
もっとも、ここには根本的な問題が横たわっていますが、これは、
またの機会に。。。

営業職や事務職と工場などの生産現場の人件費の考え方の違いを
理解しておくことも重要でしょうか。
企業というところは、儲けたいという動機に溢れていますから、
その動機がいろいろなドラマを生むことになります。

うまい棒には罪はないのです。。。