企業をなんとなく成長させる経営者

私が在籍していた企業でそれほど大きくはありませ
んでしたが、その後、着実に成長している企業があ
ります。
この経営者、私はあることで尊敬しておりませんが、
私が想像していた以上に企業を成長させています。

私のような者の意見具申でもよく聞く方でした。
意見を取り入れてマネジメントバイアウトをしたり、
増資の提案をすれば、すぐに対応したりと、よく決
断し実行するタイプでした。

私が退社してからのことはまったくわかりませんが、
その後の様子をHPからみると、企業は間違いなく
成長しています。

私などがいなくなった後、入れ替わるように採用し
た人材の意見を取り入れていると、考えています。
それほどよく他人の意見に耳を傾ける方でした。
だからこそ、尊敬はできませんが、企業は成長して
いるのだと思います。

私が在籍した企業の中では、なかなかめずらしい経
営者だったと思います。
経営者のまわりにも良い人材が多かったように記憶
します。
おそらくですが、聞く耳をもたれる方には、よい人
が集うということでしょうか。
それでは、またいっしょに仕事をしたいか、と聞か
れれば、答えはNOなのですが。。。

事業規模拡大時における管理のポイント

経営規模が拡大するときに注意をしなければならい
点があります。
まず、売掛金、買掛金、あるいは未払金などの管理
です。
多くの小規模企業では、Excelを利用して売掛金など
の管理をおこなっていますが、Excelは表計算にすぎ
ません。
この点をデータベース化して管理しない限り、ミス
が発生しやくなります。

データベース化された管理ソフトなどを使えば、入
力時点でミスがなければ、管理は大変簡単なものに
なります。
事業が拡大すると、当然ですが、それに比例して業
務量が増大することになりますから、表計算ソフト
では限界があります。
小さな企業では、ここで行き詰っているところを結
構みます。
必然的に社員の入れ替わりが多くなります。

現在、さまざまな管理ソフトがありますから、自社
の規模にあったものを選定すればよいでしょう。
もっとも大事なことは、データベースの概念をこの
機会によく理解されておくことです。
管理ソフト選定よりも、この理解のほうがむしろ重
要になります。

ここで理解ができれば、事業規模に応じたあらゆる
管理ソフトの導入がすばやくできるようになります。
規模に対応したソフトは限りなくありますので、ソ
フトに関して心配することはありません。

楽々精算ではありませんが、手作業による事務作業
から管理ソフトを使うことで事務の効率化は飛躍的
に上がっていきます。
この事実を実感することが重要な要素となるでしょ
う。

概念を理解すること、実際導入して実感することが
大切です。
頭でわかることと体でわかることは違います。
管理ソフト(データベース化)の導入は、この違い
を体得するチャンスです。

ここから本当の事業拡大の一歩がはじまっていきま
す。
ただし、まだ一歩にすぎませんが。。。

P/L、B/Sから見える身近な経営状況

仕事柄バランスシートや損益計算書を見る機会が多い
ので、企業や個人事業主の方たちの経営環境を身近に
知ることができます。

損益計算書から言えることは、コロナ化の経済情勢を
反映して売上が下がっていることです。
それでも中には、前年度の3倍近く売上を伸ばす個人
事業主さんもいます。

共通する経営活動ですが、売上を確保していくために
取引先の新たな開拓をやっておらることです。
このような方法で売上の減少幅を少なくする努力をさ
れています。
また、これまでひとつの案件の受注額が大きくなって
いましたが、当然、経営環境が厳しくなれば一件当た
りの受注額を下げて小さな案件、いわば受注額がこれ
までより低い案件を数多く受注することで売上の減少
を食い止めようとされています。

その点、飲食業は休業や時短営業などの国や都道府県
による政策に大きく影響されますから、自らの努力に
は限界があります。
他方、この業界は、まん延防止協力金など給付金、あ
るいは雇用調整助成金の支給があり、個人事業主さん
や小さな事業者さんは、当面事業継続のための資金は
なんとか確保されています。
しかし、なんといっても本当にお客様が飲食業に戻っ
てきてくれるかどうかは未知数です。
コロナ感染の影響を受けながら、今後、売上確保がで
きるかどうかという厳しい現実に直面しておられます。

損益計算書の状況は、前述したとおりですが、バラン
スシートから見える経営環境は、事業規模が1億円を
超える企業では、長期借入金が増加していることでし
ょうか。
他方、銀行預金の残高も多額になっております。
このことは、一時的にコロナ融資などを受けています
が、資金が枯渇するような経営状態にはなく、借入れ
た資金が、そのまま銀行預金に留まっているというこ
とです。
ただし、利子や元金は返済していますから、借入れた
ままの金額が残っているわけではありません。
もっとも、一部には1年間返済猶予されている借入金
もあります。

このようにみてくると私が知る限りの範囲では、売上
は減少しているが、なんとか自力でがんばりって売上
を確保しておられます。
融資(借入金)されたお金を使うような経営状態には
ありません。

コロナ化、引き続き今年の経営環境がどうなるかわか
りませんので、手元資金を厚くした状態といえるので
はないでしょうか。

個人事業主さんは、借入などされることもなく売上を
確保されていますし、むしろ法人より勢いがあるよう
に感じます。

楽天らしい商売

5月13日、楽天モバイルがこれまで月間1GBまでの
無料を終了する、と発表しました。
この発表を聞いて思ってた通りの発表だった、と感
じました。
また、その前提で楽天モバイルを利用していました。
楽天の21年12月期の連結決算は、最終損益が1338億
円という過去最大の赤字になったことからして、継
続可能な施策ではなかったのではないでしょうか。

楽天という企業は、三木谷さんのワンマン経営だと、
私は想像しています。
出店企業や顧客に対して誠実に向き合っている企業
と思えない施策をこれまでもやっています。
私は楽天のサービスを、その価値に見合う範囲で使
わせてもらっています。
値上げ後は、ポイントで対応すればよいし、利用す
るのをためらえば、そのときの対応はすでに決めて
います。
キャリアの変更がネットで簡単にできますから、不
便も感じません。

もっとも、仕事で使うスマホは別なキャリアにして
います。
楽天モバイルの品質があまりよくないからです。
ネットショッピングは、ほとんどAmazonで済ませ
ています。
楽天市場を利用するのは年に5回もあるでしょうか。
楽天ポイントが増える個別キャンペーンもほとんど
知りません。

楽天カードだけ、ほどほどに利用させてもらってい
ます。
楽天らしい商売には、自分の判断でそれなりに賢く
利用させていただくことが必要なのかもわかりませ
ん。

大手企業と中小企業経理のむずかしさの違い

経理の仕事をしていると、中小企業の経理は、大手企
業と違うむずかしさを感じます。
理由は、経理処理が千差万別だからです。
いわゆる簿記でならったような仕訳ばかりではありま
せんし、発生主義会計現金主義会計がまざっている
のも特徴でしょうか。
大手企業では考えられない対応が求められます。

大手企業や上場を目指す企業では、その前提となる会
計処理が厳格だからですが、厳格とは別な言葉で言い
直せば会計処理が標準化されているということです。
その上、会計システムが充実していますので、比較的
経理の仕事は単調なものでしょうか。
むしろ月次決算のために経理処理の正確さとスピード
が要求されます。

もっとも、大手企業などでは、管理会計が必要になり
ますので、こちらの対応のほうが非常に多くの作業時
間を取られます。
現場と会計をつなぐ部分は、人が介在すればするほど
複雑化していきます。
現場要素を会計的な指標に落とし込むことが求められ
、現場をひとつの経営単位とみなしていくことで経営
判断的な要素も入ってきます。
きめ細かな部門運営をすればするほど、会計的な対応
も複雑化していきます。

他方、中小企業では、管理会計をやっているところも
あるでしょうが、私が対応している企業ではそこまで
やっておりません。
むしろ経理処理は、企業規模や従業員数、個人か法人
かで結構違いがあります。

大手企業などと大きく経理処理が違うのは、その処理
をする期間でしょうか。
大手企業などでは月次決算をおこなっていますので、
日々の経理処理に追われます。

一方、中小企業では、2か月、3か月、6か月、遅い
場合は1年間まとめて伝票等を計上することです。
月次で対応するところが圧倒的に少ないのが現状でし
ょうか。
中小規模では、自ら商売してますから、月次の売上と
経費、そして大雑把な利益は、およそわかります。
あわてて経理処理を依頼する必要もないのです。
どちらかと言えば、確定申告のために経理処理をして
いることになるでしょう。

それでも電子帳簿保存法の施行により、ルールに乗っ
取った対応が必要になってきます。
私は、可能な範囲で電子帳簿保存に対応していくよう
アドバイスしています。

何事も一気にやるといろいろなところに支障がでるか
らです。
また、私は大手企業で経理をしてきた関係で月次処理
が体にしみついているようです。
自らの会社(個人事業)の記帳でも、昨年から電子帳
簿保存にし、2か月以内に請求書や領収書の記帳をお
こなっています。
このやり方のほうが、会社勤めの時代と同じで自分に
はあっています。

また、この方法だと、最終的に確定申告前に記帳内容
を十分チェックをすることができ、節税対策も可能に
なると考えています。

インボイス制度をチャンスととらえてみよう!

2023年10月1日からインボイス制度が運用されます。
面倒でないほうから言えば、インボイス制度において
適格請求書発行事業者」登録を選択するかどうかは
自由です。
ただし、「適格請求書発行事業者」登録をすれば、課
税事業者として消費税を納付することになります。

消費税を納めていない事業者である「免税事業者」は、
インボイス制度から除外され「適格請求書」を発行す
ることができません。
また、適格請求書発行事業者公表サイトがあり、今後、
登録事業者の確認ができるようになります。

免税事業者と免税事業者間の取引であれば、とくに
「適格請求書発行事業者」登録をする必要はありませ
ん。

問題になる場合とは、フリーランスの方(個人事業主)
が、大手企業などの課税事業者と取引をするときです。
大手企業などが、個人事業主などの免税事業者と取引
をする場合、簡単に言えば、免税事業者分の消費税を
大手企業など(課税事業者)が負担しなければならな
くなります。
もちろん、猶予措置がありますが、それでも大手企業
などが、わざわざ面倒な手続きをおこなうとは思えま
せんし、大手企業などの課税事業者は、よほどのこと
がない限り「適格請求書発行事業者」を選択すること
になるでしょう。

そのため個人事業主でも、大手企業などの課税事業者
との取引が前提となる場合、はやめに「適格請求書発
行事業者」登録をしておくほうがよいと思われます。

免税事業に固執しているよりは積極的に自らの分野を
開拓していくほうが個人から法人へ早道となります。
個人事業主には厳しい時代ですが、その選別が、また、
次のチャンスをつくることになりそうです。

私の仕事においても個人事業主で1,000万円を超える
売上をあげる方たちは数多くいます。
その方たちは、すでに課税事業者としてビジネスをお
こなっており、大手企業などとも取引があります。

面倒なインボイス制度ですが、個人事業主としてビジ
ネスを発展させるチャンスにすることが重要ではない
でしょうか。

活力がある企業ない企業

企業には、活力があるところとないところがあります。
その実態をつかむのは、なかなかむずかしいものです。
理由は、管理能力が優れていても優れていなくとも、
活力がある企業があり、他方、その逆、活力がない企
業が存在するからです。

活力があるところに共通する要素は、社員が自由闊達
に仕事をしていることでしょうか。
管理能力が低い企業でも社員の能力が高く、身近な実
務に関していえば、他社を圧倒しているようでした。
組織の管理能力が高ければ、社員の能力の高さとの相
乗効果で、さらにレベルが高い活動になっていくよう
です。

「活力」とは、辞書によれば、「人間や組織が活発に
活動するための力」となっています。

一方、活力がない企業は、組織の管理能力が高くとも
社員がバラバラで一体感がなく、仕事のレベルが向上
していきません。
いろいろな施策をやろうという意欲が低く、高収益を
支えている仕組みに安住している状態とでもいえるで
しょうか。
とにかく活力がありません。

企業というところは、人間がつくるところだけにその
状況をつくっているのは、また、まぎれもなく人間そ
のものです。
特に、活力がない企業では、創業者に限らず、経営ト
ップに課題がありそうです。
しかし、社員に活力がなくとも高収益企業にいたって
は、その経営を批判することのむずかしさは並大抵で
はありません。

さて、答えはひとつではないでしょう。
みなさんも考えてみてください。

特定の社員の話しか聞かない経営者

私が在籍した企業のなかには、特定の社員の話しか
聞かない経営者(創業者)がいました。
当然ですが、このような経営者は、企業活動の全体
をみることができません。
特定の偏った意見によって企業経営をおこなうから
です。

このタイプの経営者は、創業当時から在籍している人
や、中途採用の中で自分が気に入った人だけに意見を
求めます。
古くからいる社員は気心が知れ、話しやすいのはわ
かりますが、少なくとも株式上場を検討しているス
テージでは、組織機能を担える能力があるかどうか
で社員を判断すべきでしょう。
このような経営者につく社員は、だいたい自分のこ
としか考えていませんから、企業活動は、低調にな
ります。

在籍する一般社員は、このような状況をよく把握し
ており、意見を述べたりすることがありません。
また、このような経営者は、一般社員から企業実態
を把握するようなこともないでしょう。
私のようなタイプは、告げ口から解雇になりました
が、気にすることはありません。
所詮、そのレベルの経営なのです。

ソニーと真逆といってよいでしょうか。
私がいた時代のソニーは管理職などは、積極的に経
営層に意見をいい、経営層も意見をよく聞いていま
すが、決定的に違うのは、経営層が現場を歩くこと
です。
現場の実態と管理職などの見解が乖離していないか、
自らの目と耳で確認していきます。
生半可な意見だけで経営判断をすることはありませ
ん。

当たり前の結果ですが、前社の経営は破綻(倒産)
し、後者は、業績のアッダウンはありますが継続的
に発展、成長しています。

経営は、シンプルなものです。
むずかしく考えることはありません。

評判が妙に良い会社

入社して妙に評判が良い会社がありました。
私の場合、2社あったでしょうか。
2社とも創業者が社長をやっているところでしたが、
入社後、新聞、雑誌、ネットメディアなどで高い評価
を得ていました。

それなりの理由はあるのですが、もっとも評価されて
いたのは、その方たちの経歴でしょうか。
1社は米国の超有名IT企業に在籍していたことでIT技
術に優れているというような評価内容だったように思
います。

もう1社は日本企業ですが、経営者が非常に有名な企
業、そこで取締役をやっていたという経歴が、今の時
代を象徴する省エネ技術に関する分野において特筆す
べきものがある、といったところだったでしょう。

ところが、評判とは裏腹に、どちらも問題が多い企業
でした。
共通点は、自分がもっとも正しい判断をしている、と
考えているところでしょうか。
このタイプは、だいたいワンマン経営になっているこ
とが多いように感じます。

残念ながら1社は、倒産、もう1社は、なんとかやっ
ていますが、私が在籍していたころの評判とはまった
く逆になってしまいました。
また、当時のワンマン経営者(創業者)はいなくなっ
ています。

私は、どこでもいうべきことを言いますから、1社は
干され、もう1社は部長降格です。
当然ですが、はやめに自主的に退職させていただきま
した。
その後のプロセスをみていると正解でした。

人生という道は、いつも自分自身で選択するしかあり
ません。

着実に企業を伸ばす

昨日、経営者の資質で書きました私が在籍していた企業
では、私が入社するまで、ある大手コンサルタント企業
出身の経営企画部長が経営戦略を立案していました。

私は人事総務担当で入社しましたが、時を経ずして経理
部門をみてほしいということを言われました。
なんだか変だと思いましたが、引き受けた以上、しっか
りとやらなければなりません。

結論から言えば、また、詳しいことはここにかけません
が、サギをおこなって利益を計上していました。

この経営企画部長は、このような状況を理解していたの
か、早々にこの企業を退社しました。
しかも、この企業に出資していた企業に転職してました。
その後、この出資企業も出資を引き揚げて、この企業と
かかわりをもたなくなってしまいました。

このような実態ですから上場を中止すべきだ、とアドバ
イスして、私はこの企業を去りました。

この後、この企業は、減資し、監査法人との契約を終了
し、非上場企業として今日に至っています。
それでよいのです。
身の丈に合った企業運営することが、経営の常道だから
です。

私がみてきた限り、背伸びした経営を希望する企業が多
すぎます。
企業経営のポイントは、自らの利益の源泉をしっかりと
抑えて、お客様に納得してもらえる活動をおこなうこと
につきます。

企業活動の中にある会計情報とは、経営の実態を把握す
るためのツールのひとつでしかありませんが、それでも、
会計基準に乗っ取った企業会計を実行することで経営活
動の一端を知る重要な情報源となります。

その意味で正しい会計情報は、着実に企業を伸ばすこと
ができる情報のひとつと言えるでしょう。