営業の風景が不自然

学校をでて最初に入った企業の仕事は営業でした。
いやでしたが、他に選択肢がなく、採用された企業はここだけ、営
業をやるしかありませんでした。

それでもよい先輩たちや同僚がいてなんとか、営業職をこなしてい
たでしょうか。
それでも私には、この会社の営業の景色は不自然でした。
理由は、月末の押し込み営業です。
売上が不足すると、有力な代理店などに値引きをして大口の注文を
もらうのです。
この景色が私には不自然に映るのです。

まず、頭を下げて値引きしてまで売り上げを上げるのが営業か、と
いう幻滅です。
それから販売促進費の不自然さです。
実需にならないのに代理店へ値引きして、その後、どのように販売
するのか。

押し込んでもすぐに売れる商品ならいいのですが、商品自体が競争
力がなく、押し込んでもその先の販売は私がいた企業が担当するの
です。
当然ですが、さらに販売促進費が必要になったりします。

結論から言えば、この企業(合併)も代理店(倒産・廃業)もなく
なりました。
会計上、大きな問題があると、ソニー子会社へ転職して知ることに
なります。
会計が営業活動における重要なカウンターパートナーになります。

あなたが仕事をする企業の風景は大丈夫ですか。
あたりまえの日々にこそ、真実があるからです。

マネジメント経験を伝えることはできるのか?

ソニー子会社時代のマネジメントを分析できるのか、と長く考え
ていました。
あまり例がないマネジメントスタイルですから。。。
ソニー子会社以外にお目にかかったことがないわけですから、世の
中を探しても間違いなく少数派でしょう。
中小企業には、このようなマネジメントやっているところもあるの
かもわかりません。

それにしても人に伝えるのがむずかしい。
そこで今読んでいる「失敗の本質を語る」野中 郁次郎 (著), 前田
裕之 (その他)を参考にしてみます。

リッカート は、 原因 変数 → 媒介変数 → 結果 変数 という モデル
を つくり まし た。 原因 変数 は、 小 集団 の メンバー が リーダ
ー を 支持 する 関係、 連結 ピン 組織 と 高い 目標、 媒介変数 は
上司 に対する 好意的 な 態度、 高い 信用 と 信頼、 優れ た コミュ
ニケーション、 集団 への 強い 帰属 意識 などからなり、 低い 欠勤
・転職、 高い 生産性、 少ない スクラップ、 低い 原価、 高い 収益
という 結果 を もたらし ます。   バークレー では、 米 ミシガン
大学 で リッカート の 同僚 で ある アーノルド・タンネンバウム が
客員 教授 として リッカート 理論 を 教え た の です が、 クラス
を 重複 する 小 集団 に 分け、 まさに 連結 ピン 組織 を 編成 し て
参加 型 の 授業 を 展開 し まし た。   小 集団 が 自ら 高い 目標
を 求める よう に なる と 生産性 が 高まり ます。 集団 の メンバー
を 従わ せる 力 には、 合法 力( 組織 から 公式 に 与え られ た
権限 に 基づく 力)、 報償 力( 報酬 を 与える 能力 による 力)、
強制力( 処罰 が できる 力)、 専門 力( 自己 の 持つ 専門的 な
知識 によるによる 力)、 同一 力( 一体感 に 基づく 力) が あり
ます。 この なか で 最も 範囲 が 広い のが 同一 力 です。 人間 が
他人、 集団、 規範、 役割 などに 同一性 を 認める と 拘束 さ れる
力 を 指し、 集団 の メンバー との 一体感 と 言い換え られ ます。

個人 の 友情 や 愛情、 忠誠 による 自己 統制 は 同一 力 による 統
制 で あり、 強い 拘束力 を 持ち ます。 集団 の 目標 が 自己 の 目
標 に なる ので、 目標 の 達成 に 向け て メンバー は 懸命 に 努力
し ます。 メンバー は 自発的 に 動く ので、 統制 さ れ て いる と
いう 意識 は 弱い の です。 メンバー 間 に 強い 統制 力 が 働き、
生産性 が 高まり ます。 リッカート 理論 は、 凝縮 さ れ た 集団 が
同一 力 に 基づく 統制 に従う、 理想的 な 管理 の 姿 を 示し た の
です。 タンネンバウム は、「 愛情 に 基づく 統制」 と 表現 し て
い まし た。   個人 と 個人 の 人間関係 論 では なく、 組織、 チ
ーム を ベース に し た 人間関係 論 で あり、 日本 の 実態 に 近い
内容 でし た。 組織 の 社会心理学 と 呼ん で いい でしょ う。

上記の内容に近いマネジメントがソニー子会社に存在していました。
ただし、私が在籍していた時代は、社員数は120名~300名です。
私の経験では、50名くらいから300名くらいまでが、企業が一番お
もしろい時代、玉石混交、いわば発展可能性を秘めた時代だ、と考
えています。
日本的マネジメントとは違います。
個人の独自性が尊重されるので、日本的な組織中心型(親分、子分
型)ではありません。
あえて言えば、役員から従業員までフラット型と呼んだほうが合う
のかもわかりません。

仕事は、理屈でないから面白い。
しかし、理屈を学ぶことを忘れてはなりません。
自分に酔い、溺れるからです。

権限移譲すると時間がかかる?

権限移譲すると時間がかかるか。
結論から言えば、時間がかかる場合もあれば、
かからない場合もあるというのが回答です。

権限移譲して管理会計を実施する場合、現場の
課長級は大変です。
自分の仕事をおこないながら事業計画を策定す
ることになるからです。
覚悟が必要です。
もっとも、ソニー子会社時代の課長級はみな楽
しんで事業計画を作っていました。
私も人生で一番働いたと思いますが、本当に楽
しんでやったと思います。

今書くとこうなりますが、実際やっている途中
は、締め切りとの闘いです。
権限移譲して事業計画を作ると、現場ではかな
りの時間を割くことになります。
また、課長級の負担も相当なものです。

他方、課長級が策定した事業計画が承認されれ
ば、その後の動きはすばやくなります。
当然ですが、実行者が策定した計画だからです。
毎月、課長会議で進捗報告することになります
が、これはこれで大変です。
役員から文句言われるから?

自分の能力が、衆人の前に丸見えになるからで
す。
適当な答えではぐらかしても、現場責任者がや
る会議ですから、簡単にごまかせません。
厳しい質問が、役員からでなく、まわりの責任
者(同僚)から飛んできます。

役員は、にやにやしながらだまって聞いている
だけです。
たまに質問されますが、役員への回答でも能力
はまるみえでしょうか。
タフな会議です。

私の個人的な考えですが、重要な仕事とはある
程度時間がかかるものです。
無駄な仕事はシステム化することや仕事そのも
のを廃棄する必要がありますが、事業計画や事
業の進捗には、それなりの時間が必要です。
そのためにも管理会計をおこない、事業計画を
現場サイドで策定し、実行し、そして評価する
体制が必要だと、確信しています。

企業会計と税務会計

大手企業と中小企業における会計に関する違い
は、結論から言えば、大手は企業会計をベース
に会計処理をおこない、中小企業の多くは税務
会計です。

辞書などによれば、企業会計とは、主に営利企
業に対し適用される会計手続きの総称。
企業の事業活動を定量化した情報の提供、分析
を目的として実施される。
なお企業会計は、その目的により財務会計と管
理会計、税務会計に分けられる。
財務会計の目的は、企業外部の利害関係者に対
し、企業の財務状態などの情報提供を行うこと
である、となっています。
企業会計に関しては、国際会計基準もあり、複
雑化しています。

中小企業の場合は、税務会計中心に会計処理を
しているところがほとんどでしょうか。
税法に基づいて会計処理をしているということ
になります。

大企業や上場企業の場合、財務諸表は会社法や
金融商品取引法、国際会計基準などさまざまな
会計基準にしたがって作成されます。
一般的には、会計基準に準拠した形で作成され
る財務諸表をベースに、税法で要請される調整
を加え、税務申告用の所得を決定するプロセス
をとります。

中小企業の場合、一般的に最初から税法に準拠
した形で財務諸表が作成されます。
最初から税法ベースで作成されるケースが多い
ので、中小企業の財務諸表は税務申告のための
根拠資料という意味合いが強くなるようです。

他方、大手企業では、例えば固定資産や棚卸資
産の除却などに関して企業会計ベースで社内基
準を設けて会計処理をしています。
必ずしも税法基準ではありませんから、有税
(税金を納付する)で会計処理をする場合もあ
ります。

小企業や個人事業の場合は、このような会計処
理はしませんので、原則、固定資産など税法ど
おり原価償却することが大半でしょう。
税法上、税金を最小化する会計をしているとこ
ろが多いのではないでしょうか。

転職は実験場か?

私は転職回数が相当多いですから、転職エージ
ェントなどから声がかかることがないタイプで
す。
もっとも、そのようなことを気にして生きてい
くタイプでもありません。
私の人生そのものが、実験場のようなものでし
ょうか。

その意味でも私の転職は実験場だったようです。
失敗が多い実験場でしたが。。。
それでも、面白かったの一言です。

まじかにみる経営は、生きた学びそのものです。
経営状況が悪くなる企業に共通するのは、唯我
独尊でしょうか。
井の中の蛙大海を知らず、ということです。

人間の宿命みたいなものです。
経験した以上のことは、なかなか抜け出せない
のです。
これは、私自身にも言えます。

抜け出す経営者は、人の話に耳を傾け、権限を
委譲し、実行することができる人です。
簡単なことですが、このタイプなかなかいませ
ん。

数多くの実験場を歩き回りましたが、ソニーの
ようなシンプルな経営スタイルを取ることはむ
ずかしいようです。
ほんとんどの経営者が、自分の範疇で勝負しよ
うとします。
だから、失敗するのですが。。。

それに比べると、はるかに社員のほうが優秀で
す。
ちょっとレクチャーすれば、能動的に行動する
ことができます。
実験場の中は、結構有能な社員の集まりでした。
この事実だけでも貴重な経験です。

めんどくさいことは、はやめに!

私は、適格請求書発行事業者登録を申請してい
ますので課税事業者として個人事業をすること
になります。
私は、元来、せっかちなタイプですからわずら
わしいことほど、はやめに取り組みます。

本来、インボイス制度は、2023年10月からです
が、2023年度から課税事業者として消費税を納
付する予定です。
もっとも、2023年3月31日までに適格請求書発
行事業者登録をすれば課税事業者となり、消費
税課税事業者選択届出書は必要ありません。
確定申告は事業年度でおこないますから、2023
年は1月から12月がが個人事業主の事業年度と
なります。

私の場合、めんどくさがり屋なので、経理処理
は、経理ソフトに準拠した処理をすることにし
ています。
これまで仕事をしてきたいくつかの企業では、
社長自身が会計処理を不適切におこなうため、
適正な会計処理ができていないケースをみてき
ました。
適当に数字をいじると、だいたい、わけがわか
らない会計状態になります。
そして税務調査でご褒美を頂戴することになる
ものです。
また、経営状態は悪化していきました。

会計数字が適正に処理されていれば、経営の本
質をつかむのも早くなります。
だからこそ、大手企業の経理部門では、適正な
会計処理をなるべくはやくおこなう努力をして
います。
そのことで、経営者は、次のアクションをすば
やくとることができるようになるからです。

経営は経営数字だけではありますが、数字も経
営における重要な判断要素になることは間違い
ありません。

なぜ、ストレスに弱い私がソニーでうまくやれたのか

昨日書いたように、私は組織のストレスに弱い
タイプです。
では、そんなストレスに弱い私がソニーでは、
なぜ、うまくやれたのでしょうか。

理由は、いくつかあります。
私にとって一番の理由は、適法経営でしょうか。
違法なことをやるような経営者や管理職がいな
いということです。
もっとも、人間は完全ではありませんから、非
常に少ないということです。
このことの前提には、業務監査(抜き打ち)、
会計監査(抜き打ち)といった内部監査制度が
仕組みとして機能しているからです。
詳細は別な機会にさせていただきますが、この
ような適法経営が確立しているので、私がもっ
ている組織に対するストレスが大幅に軽減され
ます。
私が、経営者や管理職の姿勢を心配する必要な
どないからです。
問題があれば、個々に指摘することも可能です。

二つ目は、個人の意思を尊重した経営スタイル
です。
簡単に書けば、部や課の事業計画の策定責任が、
各管理職にあり、個人の自由度が高い経営スタ
イルになっています。
当然、このような経営スタイルは、トップダウ
ンで指示されるわけではありませんから、個人
の能力があからさまにもなります。
その意味では、ストレスが増大する人もいたで
しょうが、降格人事と敗者復活もあるので組織
に対するストレスではなく、仕事に対するスト
レスになるかもわかりません。
仕事のストレスは、どのような企業でもあるこ
とではないでしょうか。
私は、仕事に対するストレスは弱くはないでし
ょう。

三番目は、このような自由度が高い経営スタイ
ルは、企業内における個人間の仕事に対する姿
勢を高め、さらに異なる部や課との間の非公式
なコミュニケーションによる政策立案能力が高
まり、チームとして一体感をもった仕事ができ
るようになります。

これだけではありませんが、ソニーにおける仕
事で組織的ストレスがたまらず、むしろフロー
現象
の中で仕事ができたことが、今日の私を作
ってくれたと感謝しています。

このような仕事環境が沢山生まれることを願う
ばかりです。

横領事件の根底にあるもの

私が会社勤めをしていたとき、ある企業で業務
上横領事件がありました。
簡単に言えば、部長クラスの人間が、部品(半
導体)を横流ししていました。
総額でいけば、1億円を超えていたと思います。
横領したお金は、女性や競馬などに使っていた
ようです。

担当者だった私は、原価管理システムのデータ
を調べること、1年くらいかかったでしょうか。
あることに気づきました。
同じ製造番号が何度も使われていることです。
ソニー時代も原価管理をしていましたが、一度
製造が終了すれば同じ製番がでてくること自体
ありません。
製番は、一度しか使われませんし製造が終了す
れば、システムにロックがかかり同じ製造番号
を入力することができません。

問題は、このように何度も同じ製番を入力でき
るシステムを放置しておいたこと、また、製番
管理を経理部門がきちんとやっていればすぐに
発見できる事例でした。
さらに実地棚卸をすれば、すぐにわかります。
その点も甘いのです。
当事者、横領している部長が棚卸をしていまし
た。
開いた口がふさがりませんとは、このことです。

このように経営管理が甘いと簡単に横領などが
おこなわれてしまいます。

仕事というのは、原点があります。

なぜ、実地棚卸をするのか。
なぜ、システムをロックするのか。
なぜ、内部けん制が必要なのか。
なぜ、内部監査は必要か。

仕事の基本を忘れている企業に未来はありません。
仕事の基本がない人間たちが日々仕事をしている
企業では、けっして悪い人たちではありませんが、
その人たちの存在が企業の中に悪い人間を生む土
壌を作るということです。

当然ですが、その企業は消滅しました。

電子保存のほうが記帳がはかどる

昨年から私自身の記帳は、電子保存でおこなっ
ていましたが、今年記帳をやっていて感じるこ
とは、手際がよくなりスムーズに計上できるよ
うになったことです。
67日ルールによる分散処理の効果でしょうか。

昨年までは、一度紙に印刷して記帳をおこなっ
ていましたが、今年は電子から電子で保存した
帳票についてはすべてペーパーレスで入力して
います。

もちろん、普通に現金等で購入した領収書は、
やよい青色申告オンライン版に電子保存したう
えで手元にある領収書から仕訳をします。

やはり物事は、やると決めて段取りができ、実
際におこなうことでうまく進んでいきます。
昨年、決断したことが正解でした。

領収書などをまとめて記帳するより、はるかに
楽に記帳ができます。
その分時間にゆとりがもてるようになり、自分
の生活スタイルにあっているようです。

自分自身の記帳でいらいらする時間がなりまし
た。。。

事業主貸と事業主借(1/2)

私も個人事業主さんの記帳をはじめたころ、ま
ったく理解できませんでしたが、自分で青色申
告をやるようになって理解できるようになりま
した。
ただし、私は、事業用の銀行口座はもっていま
せんので、どちらかといえば、事業主借主体の
仕訳になります。

この科目は、そもそも事業の会計処理のために
使用するので、貸すのも借りるのも「事業用の
お金」が主体と考えれば理解しやすいと思いま
す。
簡単に「事業主に貸す」「事業主に借りる」と
考えてもよいでしょう。

なお、「貸」「借」と言っても、あくまでお金
の流れを示すだけで、実際に返済の必要がある
わけではありません。
最終的に確定申告の際に両者を相殺、その差額
を法人での資本金に当たる「元入金(もといれ
きん)」に振り替えて処理します。
この辺は、やよい青色申告では自動的に処理し
ますので、私もそれほど詳しいわけではありま
せん。

事業主貸は事業とは無関係の支出です。
まず事業主貸は、事業とは関係のない「支出」
があった時に使用します。
事業用のお金を事業主個人の生活費やプライベ
ートな出費に充てたときです。
例えば、(1)生活用品を事業用のクレジットカ
ードで支払ったとき、(2)生活費を事業用銀行
口座からお金を下ろしたとき、(3)事業主個人
が払う所得税や住民税、保険料などを事業用銀
行口座で振替納付したときなどです。

法人と違い、最初は戸惑うことが多かったですが、
仕訳に慣れてくれば法人の記帳よりもやさしいか
もわかりません。
私自身が、青色申告をおこなっていますので、よ
り記帳に慣れているからでしょうか。

青色申告のメリットは、(1)最高65万円の特別
控除、(2)赤字が3年繰り越せる、(3)専従者
への給与を経費にできる、(4)30万円未満なら
一括で経費にできる、(5)申請によって現金主
義で記帳が可能、(6)一括評価で貸倒引当金を
計上できるなどがあります。

上記は一般的なものですが、みなさんが知らない
メリットもあるようです。